※2023年11月に更新しました。 また本ページにはプロモーションが含まれています
α7RIIIにはピクセルシフトマルチ撮影という機能が搭載されています。
聞き慣れない言葉ですが、いったいどういう機能なのでしょうか?
ピクセルシフトマルチ撮影について詳しく紹介していきます。
α7RIIIをはじめ、SONYのαシリーズには手ぶれ補正機能がありますが、この機能を応用しているのがピクセルシフトマルチ撮影です。
画像はα7RIII 特長|SONY公式から引用しています
撮影時、イメージセンサーを1画素分ずつずらすことで、4枚の画像を撮影します。
1画素分ずつずれていますから、4枚の画像はそれぞれ別な色情報を持つ事になります。
最終的にこの4枚の画像を合成することで、より美しい写真が撮影できるという機能になっています。
通常のカメラでは1枚の画像を使い、RGBの色情報を取得します。
そして補完処理という作業を行い、偽色を発生させて不足した色情報を取得し、1枚の写真に仕上げています。
つまりカメラは本来、すべての色を正確に取得しているのではなく、補完処理によって偽色を使っているのです。
ですが、ピクセルシフトマルチ撮影機能の場合、1画素分ずつずらした4枚の画像を使い、補完処理を行うことなく直接合成することで1枚の写真を作り出します。
RGBすべての色情報を正確に取得し、被写体に忠実な描写をしてくれるのです。
単純により高解像での撮影が可能だと考えても良いでしょう。
ピクセルシフトマルチ機能は言うなれば4枚の撮影データからいいとこ取りをする機能です。
専用のソフト「Imaging Edge」を使う必要はありますが、その画質の良さや質感というのは他の追随を許さないものがあります。
精密で細緻な写真を必要とするシーンでは、α7RⅢのピクセルシフトマルチ機能はその威力を発揮してくれます。
ただ趣味として写真を撮影する人でも、ポートレートや街中のスナップ写真をメインとしているのなら、この機能が必要かどうかは疑問が残るでしょう。
確かに質感や空気感まで再現するほどの写真が撮影できますが、そこまで精密な写真が欲しいのかどうかがあるからです。
またピクセルシフトマルチ機能も万能ではありません。
実はピクセルシフトマルチ機能にも弱点があります。
それは被写体が動いていると、うまく合成できずノイズが出てしまう点です。
4枚の撮影データから合成するのにあたって、被写体が動いてしまうとどうしても元のデータにもズレが生じてしまいます。
その結果、ノイズとなって出てしまうのです。
残念ながら動体を被写体とした時の補正機能がついていないのが、ピクセルシフトマルチ機能の弱点になります。
他社にも類似の機能を持ったカメラがありますが、こちらには動体補正機能がついています。
ただピクセルシフトマルチ機能には、他社にもない強みがあるのです。
それがストロボとの同調機能です。
基本的にピクセルシフトマルチのような撮影は電子シャッターを利用する関係上、ストロボを同調させるのは難しいと言われてきました。
しかしα7RⅢならば13分の1秒という低速ではあるものの、ストロボと同調させられます。
自然光で十分な感度が得られる場合は良いのですが、テーブルフォトなどストロボが必要となるシーンでは活躍してくれるでしょう。
高画素のカメラを使って、精密で細緻な写真を撮影するという点ではピクセルシフトマルチ機能が役立ちます。
ソフトウェアを使用するなど一手間かける必要がありますが、その手間をかける分だけの価値があるでしょう。
α7RⅢのスペックを十分に発揮させるための機能だと考えることもできます。
α7Ⅲには搭載されていない機能なので、高精度の写真が欲しいのならα7RⅢは選択肢の1つになるはずです。
ピクセルシフトマルチ撮影はそのため撮影時に被写体に変化があると、画像が正しく合成されないことがあります。
ピクセルシフトマルチ機能の撮影を成功するにはまず
・カメラが動かないようにしっかりと固定し、さらに被写体が動いたりもしないように注意する
・被写体にあたる光量が変化すると正しく合成されないので注意する
この点にさえ注意しておけば、高解像の美しい写真が手軽に撮影できるようになります。
ピクセルシフトマルチ撮影はカメラ単体での撮影でもできますが、「Remote」アプリを使ってスマホのリモート操作で撮影するとさらに便利です。
ピクセルシフトマルチ撮影はα7RIIIを使っているなら積極的に活用したい機能です。
ピクセルシフトマルチ撮影の仕組みは複雑ですが、使うのはそれほど難しくなくて通常撮影時以上の高解像で綺麗な写真が手軽に撮影できます。
α7RIIIの代表的な機能の1つでもあるので、α7RⅢを持っている方は仕組みを理解してぜひ使いこなせるように頑張りましょー。