ソニーEマウント用のフルサイズレンズで人気No.1で全メーカーの交換レンズの中でも上位3本に食い込んでいるのがズームレンズ「FE 24-105mm F4 G OSS SEL24105G」です。
SEL24105Gのレビューをするよ!
α7Ⅲ・α7RⅢを購入したらとりあえず合わせて買っとけといわんばかりのレビューがあちらこちらでされているレンズですが、お値段は10万円以上とフルサイズビギナーさんにとってはちょっと高めの価格設定のレンズです。
ここでは私が実際にSEL24105Gを使って撮影テストを行い、作例付きで詳しくレビューしてみますよ。
ブログの内容をシンプルに動画で解説しましたので、記事を読むのが面倒な方はぜひ視聴してみてください。
私がα7Ⅲのボディと一緒にまず購入するレンズとして候補に挙げたのがSEL24105GとSEL2470GMです。
悩んだ挙句に所有感を満たしてくれる最高峰のGマスターレンズであるSEL2470GMを最終的に選びましたが、最大ズーム70mmではやはり不満があります。(撮れる写真は最高なんですけどね)
SEL2470GMはかなり重量があり、手軽に持ち運ぶことができないという致命的な弱点があります。
一方でSONY α7シリーズの万能レンズと言われるSEL24105Gは発売から数年以上たった今でも主要なカメラのネットショップで人気上位を揺るぎません。
使ってみた結論!「SEL24105G」イイぞ!
使ってみた結論から言うと、SEL24105Gは描写力も十分でGマスターレンズに勝るとも劣らないレンズです。
✅Gマスターレンズを買うのは予算的に厳しい
✅カールツァイスのズームレンズとどちらを買うか迷っている
✅とりあえず1本オールマイティなレンズが欲しい
という考えの方にはSEL24105Gが間違いなくオススメできるレンズです。
作例もあるので紹介しながら詳しく解説しますね。
ソニーが販売するαシリーズでも、特に人気のあるSEL24105G。
全体的に高いスペックを誇るレンズなのですが、やはり最も大きなメリットはあらゆるシーンで活用できる、オールラウンドなレンズである点です。
標準ズームよりもさらに少しアップに撮れるという点が思っている以上にイイです。
このSEL24105Gが1つあれば、様々な撮影シーンに対応できるのが魅力です。
一眼初心者の方向けにまずはどのレンズを買えばいいのかわからないと迷った時にお勧めができます。
具体的には街中でのスナップ写真、ポートレートの撮影、旅行をする時のお供などなど、どんな場面でも活躍してくれます。
その理由は、ズーム全域での高画質描写と、広角24mmから中望遠105mmという対応力です。
SEL24105Gで風景写真を撮ったところ、Gマスターレンズにも負けない描写力を感じました。
色のノリ具合も好感触です。
ワイドに引いて撮ることはもちろん、被写体にグッと寄ってクローズアップ撮影をすることもできるという万能性があります。
撮影者の「こんな写真が撮影したいな!」というイメージを実現してくれるのが、SEL24105G最大のメリットでしょう。
そしてもう1つのメリットとしては、ズームレンズの割にはコンパクトな大きさという点です。
GMレンズと比べると断然軽量コンパクト!
やはり常時持ち運びたいレンズなだけに、レンズ自体の重さやサイズは気になるところでしょう。
SONYフルサイズ機に合わせる交換レンズはどれも大きくて重たいレンズが多いですが、その中でもSEL24105Gは中ぐらいのサイズ感で重量もそこまで大きくありません。
外形寸法 最大径x長さ (mm) | 83.4 x 113.3 |
質量 約 (g) | 663 |
男性であれば、SEL24105Gを持ち歩いて負担を感じる人はほとんどいないでしょう。
女性の場合はギリギリ負担にならない程度のサイズ感だと思います。
Eマウントのフルサイズレンズには標準ズームのSEL2470Zがあり、SEL24105Gが重く感じる場合はSEL2470Zを選ぶのもアリかもしれません。
がしかし、オートフォーカスの合焦スピードや光学性能はSEL24105Gと比べると結構見劣りもします。
なのでカールツァイスの描写に特別な思い入れがない限り、これから買うならSEL24105Gの方が良さそうです。
光学性能はカールツァイスよりもGレンズの方が優れていますね
またSEL24105Gには様々な機能が充実している点も購入前には知っておくべきでしょう。
SEL24105Gにはフォーカスホールドボタンが装備されていて、シャッターボタン半押しでピントを合わせた後に押すとピントがその位置で固定されます。
AFが迷って欲しくないときに使える便利な機能ですが、α7Ⅲ・α7RⅢ・α9ではこのフォーカスホールドボタンに別の機能を割り当てることができます。
α7Ⅲのカスタムキー設定は探すのが大変です。
MENUの撮影機能2の「カスタムキー」から「フォーカスホールドボタン」を探して設定します。 ここでは瞳AFを設定します。
SEL24105Gで便利に使えるのが、AF/MF切替ができるフォーカスモードスイッチです。
ソニーフルサイズレンズにはこのフォーカスモードスイッチが備わっているレンズと備わっていないレンズがあります。
フォーカスモードスイッチが備わっていないレンズではカメラ本体のメニュー画面からフォーカスモード切替を行うか、カスタムキーに割り当てておく必要があります。
カスタムキーの数は限りがあるので、他の機能を割り当てたい場合はレンズにフォーカスモードスイッチがあるほうが断然便利です。
例えばSEL24105Gと購入を迷うVario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSやFE 24-240mm F3.5-6.3 OSSにはこのスイッチが備わっていないので、フォーカスモードスイッチを重視する方はSEL24105Gを選ぶべきでしょう。
またSEL24105Gには手振れ補正スイッチも備わっています。
ソニーフルサイズレンズの中でも手振れ補正スイッチが備わったレンズは望遠レンズのSEL70200GやシネレンズのSELP28135Gがあります。
手持ち撮影で使うなら手振れ補正は常時ONにしますが、三脚で撮影する場合はOFFにして使う方が良い場合があります。
特に動画撮影で三脚を使ってパン・チルト操作する場合は、手振れ補正機能の誤作動を防ぐためにOFFにします。
つまりSEL24105Gは動画撮影での使用も考えられた設計になっていると言えます。
では反対にSEL24105Gの欠点を探ってみます。
数日撮影に使ってみたところ大きなデメリットは存在しないように思えましたが、敢えていうと欠点もありましたので以下の3つを挙げました。
カメラ女子にはちょっと重いレンズ ・値段がちょっと高い ・収差が顕著
先にもお伝えしましたが、SEL24105Gのサイズ・重量は男性のユーザーであればそこまで負担になるサイズでもないです。
しかし女性が持つことを考えると、ギリギリのサイズ感でもあるのです。
一眼カメラをすでに経験した人にとっては大して重くないと言っても、これまでコンデジやオリンパスPENのような小型ミラーレス一眼しか使ったことがない人にとっては重量感を感じると思います。
ただし、他社のフルサイズのズームレンズと比べるとかなり軽量なほうで、これ以上重くなると使いづらいというギリギリの範囲に設計しているなー。という印象です。
また人気がありすぎて、なかなかレンズの価格が下がらないというのもデメリットと言えます。
あともう一つはこの記事でも後々解説しますが、歪曲収差と周辺光量落ちは結構ハッキリわかります。
SEL24105Gのデメリットとしてあげた、サイズ感や重量感ですが、本当にギリギリのところを攻めています。
GMレンズと比べるとその差は200g以上!
ただ他のメーカーのライバルとなりそうなレンズと比較すると、軽くなっているのも事実です。
ニコン ズームレンズ AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR | 710g |
SEL24105G | 663g |
一眼レフ機のズームレンズと比べると、ボディと合わせても100g以上軽くなります。
100g程度でそんなに変わるのか?と疑問に思う人もいるかもしれませんが、長く持っているとその差は大きくでます。
特に屋外での写真撮影となると、カメラをストラップで提げて歩き回ることになります。
そうした時にレンズの大きさや重さは撮影のしやすさにも影響を与えてしまうものです。
また価格のデメリットについては、もうある意味仕方がないと割り切るしかありません。
尚、発売された当初は人気がありすぎて、入手するまでに数ヶ月待ちという状況であったレンズです。
少し時間が経過して入手も容易になってくるようであれば、価格も落ち着きを見せるでしょう。
ちなみにSONYでは頻繁にキャンペーンが行われており、対象期間に対象商品を買うとキャッシュバックがあります。
欲しいカメラとレンズがキャッシュバックキャンペーン対象になっていないかどうかチェックしておくのをオススメします。
レンズ名 | SEL24105G | SEL24240 | SEL2470Z | SEL2470GM |
焦点距離 | 24-105 | 24-240 | 24-70 | 24-70 |
レンズ構成(群-枚) | 14-17 | 12-17 | 10-12 | 13-18 |
画角(35mm判) | 61°-15° | 84°-10° | 84°-34° | 84°-34° |
開放絞り(F値) | 4 | 3.5-6.3 | 4 | 2.8 |
最小絞り(F値) | 22 | 22-40 | 22 | 22 |
絞り羽根(枚) | 9 | 7 | 7 | 9 |
円形絞り | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
最短撮影距離(m) | 0.38 | 0.5m-0.8m | 0.4 | 0.38 |
最大撮影倍率(倍) | 0.31 | 0.27 | 0.20 | 0.24 |
フィルター径(mm) | 77 | 72 | 67 | 82 |
レンズ内手振れ補正 | 〇 | 〇 | 〇 | - |
寸法(mm) | 83.4×113.3 | 80.5×118.5 | 73x94.5 | 87.6x136 |
質量(g) | 663 | 780 | 426 | 886 |
SONYストア販売価格(税込) | 181,500円 | 180,400円 | 132,000円 | 280,500円 |
※ストア価格は2023年8月に調べたものです
SONYのレンズでSEL24105Gの購入を検討するときに気になるレンズを表にしてみました。
焦点距離で考えるとズーム倍率の大きいSEL24240が気になります。
またSEL24105Gよりも低価格で手に入るSEL2470Zも捨てがたいですが、画質はSEL24105Gの方が上です。
画質重視で選ぶなら最高峰のGマスターレンズ SEL2470GMを選びたいところですが、値段が高杉くん。
ざっと見渡すとSEL24105Gって値段といい、性能といい、バランスが良いのですよねえ。
SEL24105Gを購入した場合、本体以外にもいろんな付属品がついてきます。
付属品はフード、レンズフロントキャップ、レンズリアキャップ、ケース、の4つです。
私はレンズのケースを使うことはほとんどありませんが、持ち運びの際にはレンズ傷めないように守ることができるので便利。
SEL24105Gは操作性の良さが評判になっていますが私も同感です。
フォーカスホールドボタン・フォーカスモードスイッチ・手振れ補正スイッチが独立して配置されており、切り替えがとてもしやすくなっています。
特に動画クリエイターには手ぶれ補正機能のスイッチがあるのは嬉しいポイントです。
さらにカメラにSEL24105Gを装着して手にした時もバランスが取れるような作りになっているのも特徴です。
手にした時の質感も良いため、レンズは初めてという人手も違和感なく使えます。
全体に良く考えられた作りになっていますので、操作性が悪いと感じる人は少ないでしょう。
SEL24105Gの完成度の高さをうかがえます。
SEL24105Gの外観はシボ加工もあって、汚れが目立ちにくい作りになっています。
カメラ本体ともあわせやすいシンプルなデザインになっているので、外観的に悪い印象を持つ人は少ないでしょう。
また質感については先ほども触れたように、手に馴染むように作られているのがポイントです。
SEL24105Gの描写力はオールラウンダーなレンズとはいえ、RAW撮影時でGマスターレンズに引けを取らないレンズです。
ここではワイド端・ズーム端の描写・解像感を絞り値を変更しながら検証してみました。
(クリックで拡大できるのでご覧ください)
価格コムのレビューを確認すると、未補正のRAWデータにケラレが発生するという気になるコメントがあったので、レンズ収差の有無とJPEGで撮ったデータを比較してみることにしました。
SEL24105Gのレンズプロファイル補正なしデータをLightroomで確認してみると、確かに四隅にケラレのようにも見える顕著な周辺光量落ちが見られます。
また、大きなタル型の歪曲収差も確認できます。
ただしJPEG出力では収差は問題なく補正されています。
それにAdobe LightroomでRAW現像する限り、レンズ補正はオフにしない限り必ず適用されます。
今回のようにわざわざレンズ補正をオフにしないと気が付かなかったでしょう。
またソニーフルサイズ機はボディ内でレンズ補正出来るようになっています。
つまりSEL24105Gはレンズ補正が前提のレンズであると考えれば普通に使う分には全く問題ないという感じです。
SEL24105Gはズームレンズでありながらも接写性能も意外と高いことから、ユーザーから高評価を得ています。
最短撮影距離0.38mで最大撮影倍率は0.31倍となっています。
最大撮影倍率においては前述した表でも確認できるように4本のレンズの中でも最も大きくなっています。
SEL24105Gはズーム時にレンズが前に大きく繰り出すので、ズーム時にはカメラを被写体に思いっきり近づいてもピントが合うので心地よさすら感じます。
今回のレンズの検証で使ったカメラはα7Ⅲですが、例えばα7RⅢで撮影してクロップすればマクロレンズで撮影したような写真にすることも出来るでしょう。
SNS用に料理の写真をアップで撮ってシズル感を出すといった場合でも満足のいく撮影ができるでしょう。
絞りもF4固定なので明るさもあり、ボケ表現やキレのある撮影が楽しめます。
思いっきり逆光で撮ってみたらゴーストは結構出ましたが(笑)
SEL24105GはナノARコーティングでフレア・ゴースト抑制効果があるレンズが使用されています。
一日屋外で撮影してみてヌケの良いクリアな写真が撮れましたよ。
SEL24105Gはボケの味も良くでます。
点光源に向けて撮ったときに現れる玉ボケも非常に上品でキレイな円形ボケが出来ます。
円の中心はやや滲んでいますが気になるほどではありません。
ズームレンズで撮る玉ボケではよくあることです。
フォーカスをあてた部分にもキレがあるため、より背景のボケが引き立つようなイメージです。
SEL24105Gの重さは、ライバルとなるレンズと比較すると軽めの作りになっています。
ズームレンズ全体として見ても、軽い方に入るでしょう。
それでもそこそこの大きさがあるため、やはり女性ユーザーを中心に重いと感じてしまう人がいても不思議ではありません。
ズームレンズとしては標準的な価格だと言えます。
初めて交換レンズを購入する人からすればちょっと高いと感じるかもしれませんが、フルサイズレンズの平均的な価格です。
それに性能がかなり良いため、コストパフォーマンスが高く購入後も非常に満足できるのではないでしょうか。
SEL24105Gをレンタルして数日間α7Ⅲで撮影・検証してみました。
使ってみて分かったこのレンズの一番の特長はどんなシーンでも活躍してくれる点です。
絞りF4通しで昼夜を問わずに撮影することもでき、さらにはポートレートや風景など撮影対象を選びません。
標準ズームレンズよりも少し倍率が高いのも利点があり、これ一本で幅広いサイズの写真が撮れるので機動力はプロ水準です。
こうした対応力の高さは、やはりSEL24105Gを使っていていちばん実感できる部分です。
またこのレンズは動画撮影用のレンズとしてSONYがリリースしていることもあり、動画クリエイターにも人気があります。
動画撮影性能についてはフォーカスブリージングや引きボケなど検証してみました。
結論を言うと動画にも最適なレンズとなっています。
以下の記事で解説しているので動画撮影目的で購入される方は合わせて読んでみてください。
とりあえずSEL24105Gが1本あれば、大抵のことはできてしまうくらいのデキの良さだと言えます。
女性にとっては多少サイズの大きさや重さに不満が出るのも事実ですが、男性ならそこまで気にならないでしょう。
画質の良さや被写体にも寄れるなど決定的な失点がなくメリットの多いレンズなので、これからカメラを本格的に始めたい人にもオススメです。
SEL2470GMを買う前にSEL24105Gを使っていれば、私も買ったと思います
SONYのカメラ・レンズはキャンペーン期間に対象商品を購入すればキャッシュバックがもらえます。
どこの販売店で購入しても特典対象になるのでお得です。