SONYのE 70-350mm F4.5-6.3 G OSSは、その驚異的なズーム範囲と一貫した画質で一歩先を行く写真撮影体験を求めるフォトグラファーにとって理想的な選択肢です。
このレンズは広範な被写体に対応可能なAPS-Cサイズのカメラ用に設計され、美しい解像力を全ズーム範囲で提供しています。
しかし、全てのレンズには長所と短所があります。
この記事では、SONY APS-C望遠レンズ E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSの真価を引き出すための詳細なレビューとその最善の使用法について解説します。
私がE 70-350mm F4.5-6.3 G OSSを使ってみてまず驚いたのは、70mmから350mmまでの広範なズームレンジが、一つのコンパクトなレンズに収まっていることでした。
35mm判換算で最大525mmをレンズ単体で実現!
この範囲のズームレンズは、風景から野生生物までさまざまな被写体の撮影が可能で、柔軟性がとても高いです。
レンズの性能については、ズーム全域でGレンズならではの高解像性能が保たれていました。
画像の端から端まで鮮明で、解像度の高いクリアな描写の画質が得られます。
これは特に、野生動物の体毛一本一本や、肌質を詳細に捉えるためには重要なレンズ性能で、SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSが提供する高い品質を体感することができました。
さらに、このレンズには手ブレ補正機構が内蔵されているため、手持ち撮影でも安定した結果が得られます。
また、G Masterレンズにも採用されているXDリニアモーターが搭載しているそうで、ピントフォーカスも非常に速く精密です。
350mm(35mm判換算525mm)まで素早く被写体にピント合わせができ、テレ端での撮影で失望することはありません。
しかし、価格やサイズ、重さの観点からは、一部のユーザーにとっては想定以上かもしれません。
全体として SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSは使い勝手がよく高品質な画質が得られるため、非常に有用なレンズだと感じます。
E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS SEL70350Gの長所と短所について説明します。
ソニーのEマウントレンズ E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSの一番の長所は、70mmから350mmまでの範囲で優れたスーパーテレフォトズーム性能です。
フルサイズ換算では105mmから525mm相当となり、フルサイズの場合はテレコンバーターでないと実現できない撮影領域です。
その精細な表現力と一貫した画質は、特にAPS-Cボディで顕著に体感できるでしょう。
また、E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSは焦点距離70mm前後、絞りはF4.5で解像度が高く周辺の光量落ちもほとんどわかりません。
SONYのレンズでこのスペックの超望遠レンズだと、大体重さは1キロを軽く超えています。
しかしE 70-350mm F4.5-6.3 G OSSは625グラムしかありません。
超望遠レンズでこれくらいの重さなら一日がかりの撮影にも持ち出しやすいと感じます。
またレンズ本体は頑丈な造りになっているので、野生生物やアウトドアスポーツの撮影をメインとする方には非常に役立つレンズとなるはずです。
✅フルサイズ換算105-525mm相当で素晴らしいディテールが得られる
✅Gレンズの高品質がズーム範囲全体、画像の端まで維持される
✅70mm f4.5で最高パフォーマンス
✅頑丈な作り+軽量で野鳥・競技の撮影に最適
ただし、このレンズは一部のユーザーにとっては少々不満に思う点もあるでしょう。
例えば、光を取り込む能力は他のフルサイズ望遠ズームレンズと比較してもやや劣っています。
また、ボケ味はそれほど強く出ません。
そのため、レンズ開放の明るさや強力なボケ味も求めるプロの方にとっては、他のレンズの選択を検討するほうが良いかもしれません。
あと細かい部分ですがズームリングのポジションがかなり前の方にあるため使い勝手の悪さを感じました。
もう少し中央寄りにしてくれれば良いのに...と思います。まあ慣れればそれほど気にならなくなると思いますが。
✅やや暗い
✅ボケ表現はあまり期待しないほうが良い
✅ズームリングのポジションがやや前すぎ
E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSを購入する際には、いくつか重要な点に注意する必要があります。
まず基本的なことですが、このレンズはAPS-Cサイズのカメラ用であるため、自身のカメラボディとの互換性を確認してください。
次にF4.5-6.3の開放値は特に暗い状況での撮影には少々制限を感じるかもしれません。
明るいレンズを求めている場合は、他のレンズを検討することも重要です。
項目 \ レンズ名 | SEL70350G | SEL18200LE | 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD | 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD |
---|---|---|---|---|
焦点距離(mm) |
105-525 | 27-300 | 28-200 | 70-300 |
レンズ構成(群-枚) | 13-19 | 13-17 | 14-18 | 10-15 |
開放絞り(F値) | 4.5-6.3 | 3.5-6.3 | 2.8-5.6 | 4.5-6.3 |
最小絞り(F値) | 22-32 | 22-40 | F16-32 | F22-32 |
絞り羽根(枚) | 7 | 7 | 7 | 7 |
円形絞り対応可否 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
最短撮影距離(m) | 1.1-1.5 | 0.5 | 0.19(WIDE)/ 0.8m (TELE) | 0.8m (WIDE) / 1.5m (TELE) |
最大撮影倍率(倍) | 0.23 | 0.27 | 1:3.1 (WIDE) / 1:3.8 (TELE) | 1:9.4 (WIDE) / 1:5.1 (TELE) |
フィルター径(mm) | 67 | 62 | 67 | 77 |
レンズ内手振れ補正有無 | 〇 | 〇 | 無 | 無 |
寸法(mm) | 77x142 | 68x97 | 117×74 | 148×77(ソニー用) |
質量(g) | 625 | 460 | 575 | 545(ソニー用) |
希望小売価格 | 129800円(税込) | 112200円(税込) | 99000円(税込) | 77000円(税込) |
また、70-350mmという広範なズームレンジが自分の撮影スタイルに適合するかも検討しましょう。
望遠端の350mmは非常に強力なズーム力を得ることができますが、街中でのスナップ撮影など広角が求められる場面ではその力を十分に発揮できないかもしれません。
SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSは望遠レンズなのもあってズームリングの操作性が高いです。
レンズ側寄りに配置されたズームリングはワイド端から望遠端までを少ない回転量で調整できます。
ズームリングの重さもちょうど良くて、やや粘りがありバチッと決めやすいです。
ズームロック機構もあるので、持ち運び時にレンズを下に向けた際にレンズがズレ落ちる心配もありません。
粘りがあるのでロックしなくても問題ないですよ
望遠での撮影時に被写体を見失っても、すぐに少ない回転量で広角に切り替えられるので使い勝手が良いです。
AF/MF切替やレンズ側の手振れ補正のオンオフも自在です。
三脚とハンディ撮影を頻繁に切り替えるスポーツ撮影時や野生動物の撮影の時なんかが、使いやすそうだなと思いました。
レンズの外観をチェックしてみましょう。樹脂製のレンズフードはバヨネット式です。
素材が樹脂だからプラスチッキーでチープな感じになるかなと思ったんですが、マットな仕上がりでむしろ高級感があります。
レンズのデザインはシャープでスッキリしているのでスマートな印象です。
ハイグレードを意味するGの文字が所有欲をバッチリ満たしてくれており、APS-Cレンズですが、フルサイズのα7シリーズとのバランスも非常に良いです。
SONY Eマウントレンズ SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSの描写力についてです。
上の写真はF9.0まで絞りこんでみましたが、想像以上に解像感のあるシャープな描写が得られました。
色表現は自然な発色で、解像力はさすがGレンズといったところです。(Gレンズらしいと言いましょうか)
動物を超望遠で撮影したら、毛の質感までも写してくれます。
美しく柔らかな描写で毛並みの感じが手に取るように分かるほど高精細なので、野鳥や競馬レースの撮影がとても楽しいです。
オートフォーカスの精度はさすがソニー純正と思わせるほどの高さで、テレ端でのピントフォーカスも早く解像力が落ちることがありません。
ソニーのAPS-Cレンズの解像性能は可もなく不可もなく..という印象が強いのですが、E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSにおいてはズーム全域で良好です。
レンズの開放値は広角端でF4.5、望遠端でF6.3スタートのため、夜間撮影のような光量が少ないシーンでの撮影ではISO感度を積極的に上げる必要があるでしょう。
日中程の描写力を期待することはできないかもしれませんが、現像で調節できる方は全く問題ないでしょう。
Gレンズは全体的にフレアやゴーストが出やすいです。
E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSも例外なく逆光耐性はあまり強くありません。
※クリックで拡大・絞り値も分かります。
逆光条件で撮影するときにはレンズフードを付けて撮影しましょう。
純正のレンズフードはかなり深めの設計で、角度に気をつけて撮影すればゴースト・フレアを防ぐことができます。
フィルターなんかを使って撮影するのでも良いかもしれません。
逆光耐性の検証時はやや曇っており十分な検証は出来ませんでしたが、開放・絞り時もフレアは発生します。
SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSの接写性能を確認してみました。
E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSの最短撮影距離は広角端で1.1m、望遠端で1.5mです。
被写体に寄って撮るのは苦手なレンズの部類ですね。
以下の検証では被写体にギリギリまで接近して撮影しています。
最大撮影倍率は0.23でマクロ撮影とまではいきませんが、クロップすればかなりアップの写真が撮れます。
E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSには円形絞りが採用されて自然なボケ味を出す工夫がなされています。
実際に撮影してみると自然で美しいボケを実現してくれます。
個人的な感想では、望遠によるボケ表現の要素が強いなという印象です。
例えば焦点距離70mmのF値開放で撮った場合は、背景ボケはそこまで強く表れません。
E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSの重さは625グラムで、望遠レンズの中では携帯性の良好なレンズです。
フルサイズ換算で525mmのレンズにしては長さも短めになっているし、レンズ径も67mmと小さくまとめられています。
大型のバッグを用意しなくても持ち運びができるので、いろんな場所へ持って行きたくなりますね。
子どもの学校行事の撮影を張り切って臨みたいお父さんや、小型のカメラで野鳥撮影したい方にピッタリはまるレンズでしょう。
SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSSはお値段が少し高い分、十分なスペックを持ったレンズです。
✅画像の端から端まで鮮明で、解像度の高いクリアな描写
✅大型のバッグを用意しなくても持ち運びができる
✅頑丈な作り+ 軽量で野鳥・競技の撮影に最適
✅フルサイズ換算105-525mm相当で素晴らしいディテールが得られる
2019年発売なので、発売当初よりも値段が安くなってきております。
時々ソニーストアのセール対象になることもあるので、購入前はぜひチェックしておきましょう。