※2024年4月に更新しました。 また本ページにはプロモーションが含まれています
α6500は高速オートフォーカスが売りです。
α6500の像面位相差オートフォーカスは425点の測距点で被写体を捉えることができるとされております。
これは購入前のデモ機を触った時点でも十分に体感することができましたが、α6500のオートフォーカスは実はかなり細かく設定できるようになっており、やり方次第では初期設定よりも高速なピント合わせが可能です。
また、動画撮影ではピント位置を移動させる送りピンという撮影技法がありますが、そのような撮影をしたい場合はオートフォーカス速度をむしろ遅くすることが効果的です。
ここではα6500のオートフォーカスを撮影物や作品に合わせて調整・設定する方法を解説します。
α6500は像面位相差オートフォーカスを採用しています。
従来、一眼レフカメラは位相差AFが採用され、ミラーレス一眼はコントラストAFが採用されてきました。
コントラストAFは位相差AFと比較すると精度は高いのですが、スピードに劣る面がありました。
そのため、これまで位相差AFを主に搭載する一眼レフカメラのほうが動体撮影に優れ、プロの写真家が一眼レフカメラを手放さない理由にもなっていたのです。
現在、コントラストAFは速度が向上して空間認識AFという名称でPanasonic製のミラーレス一眼に搭載されています。
だけど一眼レフの位相差AFの動体撮影にはまだまだ及ばず、比較的新しいモデルのGH5SでもAF速度にストレスを感じているというレビューをよく見かけます。
これに対して像面位相差AFがあります。
ソニーのミラーレス一眼に搭載されていて以来、他社のミラーレス一眼でも標準的に採用されるようになっています。
例えばAF性能の高さで人気のあるオリンパス OM-D E-M1 Mark2にも搭載されています。
これまで像面位相差AFは画質の低下を招く恐れがあるとされていましたが、現在ではコントラストAFとの併用によるファストハイブリッドAFに進化してミラーレス機のAFの感度・追従性・精度が飛躍的に向上しています。
だけどファストハイブリッドAFにデメリットがないわけではありません。
ファストハイブリッドAFは専用のレンズを装着しないと威力を発揮しない仕組みになっていて、使用するレンズによっては全く機能しません。
ソニーではEマウントレンズのみとなっており、たとえファストハイブリッド対応レンズでも、ファームウェアをアップデートしていないと機能しない場合もあるようです。
また、EマウントのカールツァイスレンズについてはファストハイブリッドAF対応機種も限定され、対応レンズでもファームウェアの更新を自分では出来なくなっています。
この場合メーカーに製品を送付して更新してもらう必要があります。
α6500は像面位相差AFセンサーとコントラストAFを併用したハイブリッドAFが搭載されています。
SONY純正のEマウントレンズを装着すればAFの速度も調整できるようになっています。
例えばE PZ 18-105mmを装着すると、AF駆動速度が設定できます。
(非対応レンズだとAF駆動速度はグレーになって設定できない)
スポーツの撮影や鉄道列車、カワセミなどの野鳥撮影ではこの項目で「高速」を選ぶことがオススメになります。
また、ピン送りのようにフォーカス移動を映像表現に取り入れたい場合は「低速」に設定すると良いでしょう。
この動画ではAF駆動速度の違いを比較しました。
液晶モニターのタッチパネル機能を使うことでピン送りを実施しています。
低速の自然なピン送りが良くわかるのでぜひ視聴してみてください。
ここで注意点が一つあります。
絞り値がF11より大きいときは、位相差AFを使用できません。コントラストAFのみになります。
つまり絞りすぎるとAFの精度が格段に下がってしまうのです。
屋外での撮影では絞りを解放すると白とびを起こしてしまうので、レンズを絞りがちです。
しかしこのような時AFの精度まで下がってしまうので注意が必要です。
α6500のAF精度は4K動画撮影でも威力を発揮します。
一般的に解像度が上がれば、ピント合わせがシビアになります。
4K撮影には高度なピント合わせが必須になり、これまで撮影の難易度が高いとされてきました。
だけどα6500のファストハイブリッドAFがあれば、難なく4Kムービーが撮れるようになっています。
その際に一点実施しておきたい設定があります。
AF追従感度とは、動きの速い被写体を撮影するときにその動きに合わせてピント位置を動かす早さを指します。
動画撮影に限った設定になりますが、この切り替えは重要です。
動きの速い被写体を撮影するとき、「敏感」に変更しておきましょう。
またこれとともにAF-S時、AF-C時の優先設定も解説します。
AF-S時、AF-C時のシャッターを押す際にピントが合うまでシャッターが切れないのがフォーカス優先です。
この設定にしていればピントが合っていない写真が減ります。
静止物や人物撮影の場合は、被写体の動きが少ないのでフォーカス優先で良いでしょう。
それに対してレリーズ優先ではピントが合っていなくてもシャッターを切れるようになっています。
動きの速い被写体を撮影する場合はレリーズ優先の方が良いでしょう。
以上のようにα6500は被写体や撮影内容によってオートフォーカススピードを変更できます。
非常に便利で軽快なピント合わせができますが、他社レンズではファストハイブリッドAFが効かない、絞るとコントラストAFになるなど注意点もあります。
これらを頭に入れておけば、α6500で思い通りの撮影ができるようになるでしょう。